インナーウェイト工法は、マンホール内部に鋳物製の重り(ウェイト)を設置、地震による液状化現象に伴うマンホールの浮上を防ぐ技術です。舗装や地面を掘り返すことなく、既設の構造物にも対応できるため、景観を損ねず短工期での施工が可能。確実で維持管理負担の少ない、福原鋳物独自の耐震工法です。
地震によって地下水位の高い地域では液状化現象が発生し、地中に埋設されたマンホールが地表に浮き上がる「浮上現象」が多発しています。
浮上により、以下のような深刻な影響が生じます:
液状化によるマンホール浮上を防ぐための工法は、大きく3つに分類されます。それぞれに特性があり、地盤条件や施工環境に応じた選択が求められます。
液状化の根本原因である「過剰な間隙水圧」を、マンホール内に逃がすことで浮力を抑制します。液状化そのものを緩和するアプローチです。根本的な原因を取り除くので非常に有効な手法ではありますが周辺の地盤が、過剰間隙水を適切に排水できる構造でないと効果が発揮されにくい場合があるためすべてのマンホールに適性があるわけではありません。
マンホールを液状化しない深い地盤(支持層)にアンカーで固定し、物理的に浮上を阻止します。地盤の安定した層に直接固定するため、非常に強い拘束力を持ち、確実性が高いのですが奥深くまでの掘削など時間を要したり複雑な工程が多くコスト面も高価になる傾向があります。周辺地盤へ想定外の影響を与える可能性もゼロではありません。
マンホール自体の重さを増やすことで、浮力に対抗する最も単純かつ直接的な方法で理屈上は確実に浮上を抑制できます。インナーウェイト工法もここに属しますが従来の方法では既設のマンホールに適用する場合、周辺を掘削し、重量物を設置する必要があるため、工期が長かったり、交通規制が必要になるケースもありましたがインナーウェイト工法はマンホール内の施工のため周辺への大掛かりな準備や影響というものが発生しません。
また、従来の「マンホール自体の体積で浮上を抑制する」場合よりも「マンホール底面に施工する」インナーウェイト工法のほうがより有効であることが下水道新技術推進機構で行った共同研究によって明らかになっています。
インナーウェイト工法は、装備を着用した作業員が踏み込んでも問題ない十分な耐荷重を確保しています。現場を想定した複数の強度・耐久試験を経て設計されており、長期的な信頼性も担保されています。
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「掘らずに、変えずに、浮かせない」。
インナーウェイト工法は、見えないインフラを強くする“次の備え”です。福原鋳物は、これからも現場の声に寄り添い、安全と信頼をつくり続けます。